――季節は冬。
卒業までの残り僅かな時間を使い、わたしたちは親友に宣戦布告をした。
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』最終巻に続く。
……なん……だと……。
いや、僕は昨日の夜に買って、一気読みしたので、ネット上でのネタバレを踏んでいなかったので、衝撃の展開でした。
いや、まぁ、本編の内容からして、一気にラストスパートかなぁとは思っていましたが……それでももう2、3冊は出ると思っていましたし。
まぁ、11巻本編は麻奈美と桐乃の仲直り兼、京介と桐乃の仲直り話。
……でいいのかなぁ。
基本的には京介と桐乃の冷戦が本当の意味で始まった3年前のエピソードを掘り下げ。
3年前、中学生の頃は委員長もやっていて超熱血漢。スーパーヒーローでありすごいお兄ちゃんだった京介。
そうあろうとして、折れかけたエピソード、そして完全に折った麻奈美の話。
今まで小出しにしてきた、京介と桐乃の冷戦開始の契機。
そして桐乃が麻奈美を敵視してきた理由とかその辺も一気出し。
そしてゲストヒロインの櫻井嬢。
彼女に関しては、結構面白良キャラだけにゲストヒロインで終わるのが悔やまれることろでしょうか。
しかし麻奈美が黒い。
いや、所々で黒さは遺憾なく発揮してきたと思うのですが、こうまざまざと見せ付けられるとね。
『そっか……でもね、桐乃ちゃん』
『そういう風な意味で、お兄ちゃんのことが好きだなんて、おかしいと思うな』
『普通じゃないと思う。異常だと思う。たくさんの人が、気持ち悪いって感じると思う』
『当たり前だけど、兄弟では結婚なんてできないし、ご両親だって反対するに決まってるよ』
『桐乃ちゃんの気持ちが本物であればあるほど、大人になっても変わらないものであればあるほど、誰かが不幸になる』
『それはもうどうしようもないことで、誰にだって、たとえきょうちゃんにだって、どうにもならないことなんだよ』
『いまのきょうちゃんじゃなくて――桐乃ちゃんが好きだった頃のきょうちゃんでも、同じ』
『だって、桐乃ちゃんが憧れた「凄いお兄ちゃん」なんて、最初からいないんだから』
『だからね、桐乃ちゃん』
『その気持ちは、絶対に誰にも言っちゃだめだよ』
『早く忘れて、諦めて、ありのままのお兄ちゃんと仲直りして――』
『普通の兄妹に――――なりなさい』
いや、これほじゃなくても、これに近いことは言った、というか僕はこれに近いことを京介の口から言わせたのかなぁと思っていました。
この言葉の羅列の直後、あとがき(というか、なかがきって言うべきなのかな?)で⑫プロローグに入るわけですが……。
この言葉は結構破壊力ありました。
それだけに、
「私たちは、田村先輩ほど優しくはないのよ。妹だからって、特別あつかいはしてあげないわ」
「桐乃……わたしたちが何を言っているのか――わかるよね?」
という黒猫とあやせの言葉が光るというか。
いや、まぁ、麻奈美の言っていることの方が正論ではあるんでしょうけどね。
とはいっても、僕は麻奈美ほど普通ではないので、正論に諸手をあげて賛同するわけではないのですが。
⑫では、桐乃が卒業→海外(モデル)留学? を前に麻奈美が色々と画策。
でもその前に各ヒロインが動き出す的な展開っぽいです。
その先鋒を切ったのが、10巻のあやせの告白になるのでしょうが……。
今巻、過去話は当然ですが、全体を通じて、10巻エピローグよりも時系列的に前に当たるんですね。
いや、何の問題もないんですけど、少しだけ違和感を感じるかなぁ。
しかし本当に物語が大きく動いた今回。
麻奈美は完全にボス化ですし、桐乃も本当に本気になったかもしれないですし。
さて、どんな終わりを迎えるのか気になるところです。
まぁ、本編は次巻で最後ですが……番外編とかあるのかなぁ。
俺の妹がこんなに可愛いわけがない(11) (電撃文庫)
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