ゾーン状態も終了してしまい、それでも理想の状態に戻ろうとした際にブレイクバックされてしまい、4-2エーちゃんリードで迎えた第7ゲーム。
理想の状態を諦め、現実的な戦い方にシフトしたエーちゃんは、ここまでの情報と見た目で難波江のサーブコースと球種を予測。
意識をワイドに。
しかし実際はセンターに強烈なサーブが決まり、15-0。
改めて難波江のサーブの凄さを理解、思わず感心してしまうが、即座に損場合ではないと、今度は逆をつかれないようにと強く意識。
続くファーストサーブはフォルト。
そこでエーちゃんは難波江でも3割程度はセカンドサーブになるから、そこをチェンジ オブ ペースでチャンスに変えると。
難波江のセカンドサーブに対して、遅いスピンで1/64コントロール、さらに同じコースに今度はスライス。
同じコースに同じ速度の球、そのため球種の違いが際立つ。
そのため、流石の難波江のタイミングを崩し、少しだけ浅くなる返球、それをエーちゃんはさらに同じコースに、高速フラット。
それが決まり、15-15に。
エーちゃんはチェンジ オブ ペースの1パターンが決まり、リターンゲームで理想の状態でなくともポイントを取れることを実感。
一方の難波江も同じコースに三度違う球種と、エーちゃんが自分のテニスを取り戻したことを感じ取る。
続く難波江のファーストサーブにもエーちゃんはしっかり反応。
さらには、ゆるいフォアのスピンで深くストレートに打ち、今度はすぐに回りこんでの高速フラット。
しかし難波江は逆にこれを狙い撃ち。
エーちゃんのフラットは優勢に転じるほどのものではなかったものの、一撃でやられるほどに甘いコースだったわけではない。
にも関わらずやられてしまったことに疑問を感じえることに。
その後もラリーの応酬続くものの、最後には難波江に決められてしまい、難波江がこのゲームをキープ。
そしてエーちゃんは即座にベンチに戻り、ノートにメモをしながら、何となくだが分かったことを分析。
それは難波江が現在、自分のフラットに的を絞ってきているこということ。
直球は強い球だからうまく返せばさらに強い球で返せる、それにエーちゃんのチェンジ オブ ペースは直球をどう使うかが肝になる。
その肝心要の球をリスク覚悟で叩きに来ているのは、エーちゃんのチェンジ オブ ペースを根本から崩すため。
エーちゃんのテニスを知った上でその心臓部を的確に狙ってくる、それが難波江のテニス。
エーちゃんは大きく息を吐き、まだワンブレイクリードしているから弱気になるなと自身を鼓舞。
難波江に「直球返し」を打たせない方法は2つ。
一つはエーちゃん自身が直球を打たないこと、もう一つは打つなら必ず一撃で決めること。
前者では消極的な戦いは避けられない、そう考えると、やはり直球で勝負し続けるべきと考える。
(つまり、ここぞという時に・・・・直球でエースを狙っていくしかない!!
まずは何よりファーストサーブで優位に立つこと、そしてどこかで1/81以上の厳しい狙いで直球勝負。去年、難波江くんに負けた試合の最後と似た状況だ・・・・。
・・・・でも俺はあの時とは違う! ここは絶対キープ!!)
とエーちゃんがサーブを放った所で、次回<#171 球際>につづく。
ゾーン状態から多用していたエーちゃんのストレートのフラットに狙いを絞ってきた難波江。
若干流れが難波江に傾きつつあるかと思いきや、エーちゃんも負けじと難波江がどういう意図なのかを感じ取り、直球を捨てず。
いや、いくら狙われていると言っても、結局直球無しでは、どうしても攻撃力が下がりますし、チェンジ オブ ペースもその効果を発揮することができませんし。
エーちゃんの選択肢は正解だとは思うのですが……。
次回タイトルが球際だからなぁ。
難波江がエーちゃんの1/81コントロールにどう反応するかが、問題なのかなぁ。
ちょっとした私見。
スピン、スライス、そしてフラットと違う球種を同じコースに続けるという流れは非常に僕好みでした。
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