第3セットに入り、新たな挑戦をし始めたエーちゃん。
早々に1ブレイクを許したものの、ゲームカウント4-2で迎えた第7ゲーム0-30とブレイクバックのチャンスを迎える。
エーちゃんが見事に決めた前に出るフリ、それは以前にタクマさんにやられた戦術。
そういった今ある情報をヒントに思いつく限りのチェンジオブペースを強いストロークで展開していこうとする。
そして現状、ゾーンに近づいているものの、それはあえて無視。
難波江もそんなエーちゃんの状態にパターンが読みにくくなっただけではなく、時々来る球威を増した球がラリーの緩急の幅を広げていることを実感。
感情を抑えるでもなく、解き放つでもなく、コントロールするテニスは不安定さはあるものの、ハマった時の怖さを理解。
ワンブレイクリードしているここが勝負だと、強烈なサーブを放つ。
それをエーちゃんは何とかリターン。
しかしボールはネットに当たり、コードボールに。
これが前に詰めていた難波江にとってチャンスボールとなり、決められてしまう。
エーちゃんも難波江のサーブがよかったことと、不運だったと即座に頭を切り替える。
とそこに来たのは、難波江の会心のサーブ。
さすがのエーちゃんもこれには反応できず、サービスエースを決められてしまう。
30-30と簡単に追いつかれてしまう。
今度のサーブも強烈。
エーちゃんは何とかリターンするものの、返球は甘い。
が、その直前の甘い球を活かすため、一転強引に全力スイングのストレートを狙う。
が、難波江もこれまでいい時には決め球にストレートを多用していることから、それに対応するために動き出す。
それが目に入った瞬間、エーちゃんは強引にクロスに。
これが完全に難波江の逆をつき、30-40とブレイクポイントを迎える。
難波江が過去の情報で球を読むのなら、過去にないチェンジオブペースのパターンを作るとエーちゃん。
そうすることで難波江の情報量が増えてくれば過去の情報にあるパターンでも迷いがでてくるはず。
そういう展開のなるべく早い段階で球威をアップしたストロークを入れると。
それでも考えすぎると視野が狭くなるために、直前で変更できるように相手をよく見る。
これが難波江に勝つためのビジョン。
難波江も大きく息を吐いてからのサーブ。
エーちゃんのリターンはしっかり返るものの、難波江も深く返してくる。
それを今度は鋭角に深く強いスピン、いい球が返ったとペースアップのため前に出るエーちゃん。
が、難波江はそれを読み、エーちゃんの頭上を越えるロブを放つ。
エーちゃんは即座に戻り、形勢不利であろうともスピンの次は強い直球と必死に球に追いつき、振り向きざまのショット。
それは前に詰めていた難波江に返されてしまうが、その球にも必死に飛び込む。
エーちゃんが決死の覚悟で返した球、それが難波江のコートを転々と転がり――。
ということで、エーちゃんがブレイクバック。
そしてまさかの展開にギャラリーも騒然というところで、次回<#179 猛攻死守>につづく。
エーちゃん、試合もいい感じに進めて、ゾーンにも近づいていたとはいえ、ブレイクバックするとは……。
これで本当にこの試合どう転ぶのか分からなくなってきたなぁ。
しかし、エーちゃんが難波江に勝つためのビジョン。
それが非常に難しいのは、間違いない。
うーん、何と言うか、綱渡り的な危うさがありそうというべきか。
ブレイクバックでタイに持ち込んだものの、このまま最後の最後まで均衡状態が続くのか。
いや、今のエーちゃんの状態なら続きそうではありますが。
サブタイも「猛攻死守」ですし。
そろそろ難波江とも試合も終盤か。
早ければ次々回にも終わりそうな気がしますが、もうひとどんでん返しがあっても不思議はないかなぁという気もしていたりします。
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