3回戦の諭吉戦を無事突破したエーちゃんは、母と共にうどん屋さんでカレーうどんを食べる。
うどんのつゆがはねたため、早く拭くように注意するエーちゃん。
細かいことを言ったりと相変わらずの様子。
しかし、そんな息子を改めて見て、母は先ほどの試合も含めて一言。
「アンタって全国でも注目されるくらい強くなってるのね、すごいじゃない・・・・」
この意外な一言に思わず咽るエーちゃん。
でも本当に優勝するにはまだ3回勝つ必要があり、上には上がいるため、まだ自身がない、だから自分ではすごいなんて言っていられないと。
その言葉をふーんと流す母。
そして食事が終わったタイミングで父から母の携帯に電話がかかってくる。
ということで、席を外す母。
エーちゃんはテニスのことで母に誉められたのは初めてだと思わず表情をほころばす。
と、そこに新たに3人のお客が。
それは、荒谷、それに緒方と住吉。
エーちゃんの対面にも器があったことから、試合後デートかと尋ねる荒谷だが、エーちゃんは慌ててそれを否定。
そのことを気にした様子もなく、荒谷はちょうどエーちゃんの話をしていたのだと語る。
ということで、次の対戦者である緒方とのファーストコンタクトで、自己紹介。
ついでに住吉も。
意外な3人組ということで、エーちゃんは荒谷の交友関係の広さに驚く。
そして話は緒方のことに。
以前に緒方が池を超える逸材であったという話の補足。
緒方は子供の頃、本当に強かったのだと。
3歳からテニスをやっていて、背は高く、足は速い。さらにはラケットセンスもあると、本当に誰の手に負えない超天才児だった。
そんな荒谷の言葉に思わずテレる緒方と、荒谷の言葉が全部過去形だったことから、むしろイヤミだとツッコむ住吉。
しかし小学生の時に膝をやって3年間ほとんどテニスができなくなった、と荒谷は語るのだが、この辺は結構間違っていて、緒方が訂正。
怪我は膝ではなく、腰椎、そして時期は小学生ではなく中一の時。
そうだとしても、試合出始めて1年でここまで戻ってくるのは凄い、それさえなければ、今頃全日本を獲ってタクマより先に世界を回っているというほどの荒谷の評価。
そんな言葉の端にタクマさんへの敵視を滲ませる荒谷にツッコむのは住吉の役割で、エーちゃんは、そんな大変な怪我を乗り越えたなんて凄いと思わず口にする。
しかし緒方はまだ途中なのだと。
でも大変なだけではなく、いいこともあったから何とかやれているのだと。
と、緒方がそこまで語ったところで、注文していたカレーうどんが到着。
早速食べようとする荒谷、その一方で、緒方は胸で十字を切って、お祈りをしてからの食事。
というのも、緒方の家はクリスチャンらしい。
そんな情報を仕入れつつも、エーちゃんは先ほど緒方が言った怪我をしてよかったということが気になったために、改めて質問をする。
それにたいして、口にカレーうどんを含んだまま返答する緒方。
そのため、何を話しているのかがわからない。
ということで、あらためて。
「あ・・・・えと・・・・いろいろいい経験ができたんだ・・・・。いいメディカルトレーナーにも出会えたし・・・・テニスできない間は体幹トレーニングでバランスよくなったし、なにより精神的に強くなれたと思うよ」
その言葉を聴いて、思わず緊張感を高めるエーちゃん。
それに対して、荒谷がおどけた調子で、あまり威嚇するなと言うが、緒方はそんなつもりないと平然。
今度は一方エーちゃんの話。
エーちゃんは緒方とは逆に高1までラケット持ったことないのに、全国で岡田に勝ったのだと。
そして、そんな対照的な二人の対決を楽しみにしていると荒谷。
と、そんなことをしているうちに、エーちゃん母帰還。
エーちゃん父も明日の試合は観に来れるのだと。
そして荒谷達と挨拶。
その中の一人が対戦相手だと知って、云々。
そしてホテルに戻ったエーちゃんは青井コーチと一緒に緒方の試合のビデオで研究。
そんな中の何気ない、ラケットの扱いでブランクがあれど、子供の頃からやっていたというのを見て取る青井コーチ。
それは飛んできた球を何気なくラケットを掌のように扱い球を受けるというのも。
このようにラケットを掌のように扱えるのは幼い頃からやっている証明のようなものだと。
それを聞いて、エーちゃんもタクマさん、そして岩佐のことを思い出す。
そして青井コーチは更に続ける。
小学校低学年くらいまでにやってなきゃ身につかない感覚というものがあるのだと。
それはラケットと球の親和性が高いとも言え、それがあれとコースや球種をギリギリまで待って変えられるのだと。
それがオーソドックスな緒方のスタイルのなかで普通とは違う点なのだと。
しかし、それはセンスによるもので、分析するような類のものでもないと。
更に緒方には、身長も足もある。
エーちゃんにないあらゆるものをもったオールラウンダーだと青井コーチは言う。
そんな中、エーちゃんは先ほど緒方に会ったことを報告し、絶対に精神力も強いという印象も話す。
青井コーチも大きな怪我を乗り越えようというのだから、それもそうだと納得。
一方で、その怪我も完治していそうで、スタミナに関しても問題無さそう。
これで試合に出始めてまだ1年だというのだから、池と並び評されるというのもわかると。
そんな中、青井コーチはエーちゃんノートに書かれた、緒方がクリスチャンであるという情報に目をつける。
それはかつての青井コーチの海外での試合経験で、コート上で自分以外に心底信じられるものがある選手のことを羨ましく思ったこともあるのだと。
緒方との試合間違いなく大変な試合になると。
そして翌日。
全日本ジュニアテニス大会4日目。
電話どおり、エーちゃんの応援に駆けつけた父、というわけで、前日から来ていた母と本日は両親そろって応援。
特に父のほうは結構なはしゃぎっぷり。
事前にテニスのルールブックを買っての勉強済み。
そして10時になり、コートに入る、エーちゃんと緒方。
緒方戦は、情報ばかりに頼りすぎないほうがいいんだろうなと考えるエーちゃん。
何が起こるか予想できない、しかしそれはいつものことだと、改めて試合に臨む気持ちに切り替えたところで、<#213 遊び>につづく。
一挙2話掲載の後編です。
#211の感想でも少し触れたのですが……、諭吉の出番がない!!
人知れず帰ってしまったのでしょうか?
と閑話休題。
今回は緒方戦を前に、その緒方の掘り下げ。
その一方で荒谷の意外な交友関係の広さを披露。
いや、結構後輩なんかにも慕われているっぽいですし、神田の愚痴を聞いていたり、それほど意外というわけではないのかもしれませんが……。
むしろ意外だったのは、緒方のキャラか。
どことなく飄々としている感はあるかなぁと思ったのですが、かなり天然が入っているタイプとか、クリスチャンとか色々と予想外のキャラになりそうです。
それにしても荒谷の緒方の怪我に対する認識が適当すぎる。
いや、エーちゃんとか、難波江とかでなければ、こんなものかもしれませんが……。
いよいよ怪我から復帰した池クラスの天才、緒方との一戦。
あらゆるものを持ったオールラウンダーかつ、メンタルに隙もなさそう……って、こんな相手にどうやって勝つんだ、エーちゃん。
どんな試合になるのか、楽しみです。
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