夏目を失い、帰る場所を失った春虎たちは!?
「急急如律令!」信じない。
死んでなどいない。
まだ取り戻せるはずだ。
枯渇しかけた力をひたすらに治癒符に込め、春虎は呪を注ぎ続ける。
主を――大切な幼なじみを呼び戻すために。
遂に夜光としての力を覚醒させた春虎。
だがその代償は大きく、暴走する『鴉羽』から春虎を庇った夏目はその命を落とす。
「泰山府君祭だ。泰山府君祭なら夏目を生き返らせられる……!」
一方、千年に渡りこの国を統べてきた陰陽術、その真なる復権を掲げる双角会が姿を露わにしたことで、大友や木暮ら『十二神将』たちもまた、それぞれの信念のもと呪術界を巻き込んだ戦いへと身を投じていく――。
東京の夜は新たな局面へ!
前回のラストで非常に気になる終わり方をした東レの新刊です。
うん、まぁ、普通に? ……普通に? 死んでしまっていた夏目。
それを蘇らすとなるなら、泰山府君祭しかないわなぁ。
でも当然のごとく、鈴鹿は反対。
これは当然というか、何というか。
でもまぁ、夜叉丸に泰山府君祭で夏目を蘇らせてもらうという流れから、春虎自らが泰山府君祭で夏目を蘇らせるという決意をする流れ。
それを後押しするコン。
なんだかんだ言って燃える展開です。
決着こそ見なかったものの、屈指の好カードとも思える対決もありましたし。
道満vs宮地。
大友vs鏡。
そして何より、春虎vs鏡。
ここでは何と言っても、飛車丸の覚醒が非常に燃える展開となっていましたし。
また角行鬼と並び立つ様子も。
まぁ、どれも決着がつかず、今後のための前哨戦といった感じもあるのかもしれませんが。
しかし、本当に一気に物語が動いた印象です。
春虎は一気に夜光覚醒ルート一直線みたいな雰囲気ですし。
飛車丸は覚醒だし。
京子も星読みとして覚醒ですし。
大友は2年契約で道満を式神にするし。
そしてばらけるであろう、冬児、天満、京子、鈴鹿。
そして行方不明? の春虎を捜し出すことを決意。
また一方で夏目は無事復活。
でも彼女の元からも春虎は去ったようで……? ってなかんじで、第1部は完。
大友と道満の式神契約が2年ってことを考えると、それに限りなく近い年数が一気に経過して、第2部がスタートするのかな?
しかも春虎が失踪中ってことだと、少なくとも第2部スタート直後は春虎以外が主人公――というよりは語り部となって物語が始まるの可能性が高いか?
まぁ、とにかく次巻は短編集らしいので、その辺のことはまだまだ先の話といった感じかもしれませんが……。
ナンバリングは10になるのか、S1になるのか。
あと何気に初回生産限定のカバー裏コミックも今巻の序盤の展開にいい感じに引き込める内容だったんじゃないかなぁと。
短編集も楽しみなのですが、何より、第2部開始が非常に楽しみです。
アニメはまだ先ですが、そちらも楽しみにしたいなぁ。
東京レイヴンズ9 to The DarkSky (富士見ファンタジア文庫)