終わったはずの神田との試合。
だが、エーちゃんは神田の通常のエッグボールに対して、迷いながらも渾身のジャンプショットを放とうと決意――。
というところで、目覚ましのアラームが鳴り、目を覚ますエーちゃん。
9月となり、全日本ジュニアから既に2週間。
習慣になっているランジングと練習は継続しているが……。
そして日課もすませ、食卓に向かうと、父から今日の天気予報が晴れだと聞いて、一安心。
開始は10時からで、エーちゃんの出番は10時半くらいからだと言うが……。
と、そこで、言葉を区切り、改めて、父は進路についてどうするか質問。
エーちゃんは夏休みを利用して、大学を見学。どんなテニス部なのか、校風、学科、決める基準が多すぎてまだ決めかねている。
それでも早いところは9月中に返事が欲しいと言われているために、それまでじっくり検討してみると。
そして学校。
エーちゃんの父としていた天気の話題。
その理由は――体育祭。
盛り上がりを見せる中、始まったのは、女子騎馬戦。
その1回戦は赤組VS.青組。
青組の大将は会長。
彼女は大将狙いで、一気に攻めるつもり。
一方赤組の大将はなっちゃん。
正面突破と見せかけて、回り込んでザコから叩いていく作戦。
いざ、競技が始まると、大白熱。
そんな中、一際輝きを見せるのはなっちゃん。
そんな、なっちゃんはもうテニスのプロになるという話が一般男子の耳にも入っているように。
なっちゃんがテニスのプロをっていうのは、エーちゃんに出会ったころには内緒にしていたことだったが、それを公言できるようになったという変化。
そしてエーちゃんはなっちゃんに対して、大音声での声援を送る。
そしてその声に応じるなっちゃん。
しかし、その声援は同じチームの男子達の嫉妬を買い……。
そんなこともありつつ、競技は進行。
種目はリレーとなり、アンカーのエーちゃんはバトンを受け取ると、一気に前を走っていた走者に迫る。
そのエーちゃんの走りは全国ベスト4に相応しいもの。
その様子に、1年の時のガリ勉から変わり、カッコよくなったと。
そして既にスポーツ推薦が来ていることも噂に。
そしてリレーはエーちゃんがギリギリのところで抜き去り、トップでゴール。
そんな大活躍のエーちゃんに声を掛けるのは影山。
アスリートが本気出し過ぎと。
そして話題はエーちゃんの進路のことに。
どうしても慎重になるエーちゃん。
「なあ・・本当に、もうプロになるのは無しにしたのか? プロになるだけなら今すぐにでもなれるんだろ?」
思わず、そんな本音を漏らしてしまう影山。
しかし、エーちゃんはプロになるだけでは意味がない。
勝ち続けなければならない世界だからと。
学園の体育祭と違って、その試合のため毎日、何年も練習してきた人達との戦いなのだと。
それでも2年半で全国ベスト4.
これから先もっと強くなれそうだと、そしてそう思った人も多いと食い下がる影山だが、えーちゃんは始めるのが遅かったハンデ、それら全部踏まえた上で立てた目標だったのだから、充分考えた結果だと。
「1年前と今とじゃ状況が変わってることだってあるだろ? あの試合を最後まで観てくれた両親には相談してみたのかよ? それでも敢えてプロでやってみるのはどうか・・・・ってさ」
「してないけどさ・・・・何だよ影山。そんなムキになって、らしくないよ・・・・」
「らしくないのは、エーちゃんの方だろ? 俺はお前と付き合い長いから気になるんだよ。無理して吹っ切れた顔してんだろ!!」
その言葉に驚いたのは、当のエーちゃん。
「・・・・あんなに頑張ってたからさ・・・・」
「大丈夫だよ。今、プロとしてじゃなくテニスを続けていく道を探しているところだから・・・・。結果、それがどんな仕事に繋がるかも考えて、大学を選ぼうと思ってる・・・・。俺が知らないだけで、プロになるより向いてる仕事があるかもしれないし。
テニスは親や回りの人たちに心配かけない範囲でやって、それを活かしてテニスに関わる仕事について、今までと違う角度からテニスの勉強をして・・・・。もしかしたらそれ自体が、なっちゃんの支えになるかもしれない」
「これも最善の選択の一つだろ?」
そう笑顔のエーちゃんに、影山は悔しそうに説得を諦める。
その上で、一言。
「お前は・・・・それで楽しいの?」
それは、以前、テニスを始める前のエーちゃんに問うたものと同じもの。
しかし、エーちゃんの答えはかわらないと脱力もののもの。
エーちゃんは景山の心配する気持ちに感謝。
いろいろ決まったら真っ先に報告すると。
まぁ、影山はそれはなっちゃんにしとけと。
(これ以上は俺のワガママだよな・・・・。俺はやっぱエーちゃんがプロで活躍する姿が観たいんだよな・・・・)
そう考えつつも、これ以上の説得の言葉を出せない影山。
そしてその日の夜。
また神田との試合の夢を見て、うなされ、起きてしまうエーちゃん。
やはり、その顔色は優れない――というところで次回<#267 プロの話>につづく。
エーちゃん大活躍!!
それこそサブタイに偽りなし。
さすがプロ志望“だった”だけあって、その身体能力は半端ないです。
体育祭では大活躍。
可愛い彼女(なっちゃん)もいて、周りの嫉妬も一身に集めつ人気者です。
何このリア充っぷりって言いたいところですが、当のエーちゃんは悪夢にうなされる日々。
そんな中、何とか説得しようとする影山がやっぱりいい親友です。
自分のワガママだと自覚も、何とかエーちゃんにプロになって欲しいという説得の熱さも。
「お前は・・・・それで楽しいの?」
っていう一言が、やはり影山らしい一言だなぁと。
エーちゃんの一番の理解者らしい。
これは、恐らくなっちゃんでも言えない一言ですからね。

しかし、空元気とはいえ、この笑顔は……。
何か、逆に辛い。
あと、さり気に会長さんは本編初登場ですか?

コミックで紹介、番外編ときて。
ちょっといま確認できないのですが……。
ベイビーステップ(27) (少年マガジンコミックス)
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