クリスマスも過ぎ、今年も残りあとわずか。
12月はテニスのオフシーズンのため試合がなく、徹底的に身体を追い込める時期。
とりあえず4月のプロ転向に向け、サプリメント企業に遠征費をサポートしてもらえることになったが、それは海外遠征一回分の活動資金。
いい成績を残せれば次の展開も考えられるものの、負けたらそれで終わりの可能性もある。
そんな折に、荒谷から無料通信アプリでの連絡が。
それはグループでの通信だったため、難波江や緒方も次々と連絡が。
その内容は冬休み中に皆で集まって練習をしようという誘いの連絡だった。
そこにエーちゃん、井出、神田と次々会話に加わり、内容を詰めていく。
タイミングよく、緒方や神田も関東圏に来ていると。
更に井出が岡田にも連絡を取り、面子は7人に。
そして30日ならSTCのコートを借りられるということで、話がまとまる。
そして迎えた当日。
STCには豪華な面子が集まる。

エーちゃん、難波江、神田、荒谷、井出、緒方、岡田の7名。
早速始まった合同練習だが、エーちゃんは変に力が入っていて、ミスが続く。
というのはこれからのことを考えすぎて、身体が固くなってしまっている。
門馬さんが言っていたが、プロになったら練習相手探しが大きな課題となる、そんな中でこれだけの面子が揃う環境はそうない。
こんな時こそ自分のテニスをして成長しなければと、気合を入れ直す。
身体も温まったところで、難波江が試合形式での練習を提案。
コートが2面しかないため、1セットマッチで交代しながらのものになる。
まずは緒方と神田、そして難波江と岡田の試合。
そしてエーちゃん、荒谷、井出は見学。
しかし、よくこれだけのメンバーが揃ったと、発案者の荒谷が荒めて言う。
するとタイミングがよかったと井出。
井出は年明けすぐにスペインに戻るのだと。
すると問題になるのが資金面。
以前にサポートしてもらったガットメーカーの人が少しは支援してくれることにはなっている。
住居の方は友人の家を転々とさせてもらい何とか凌ぐ予定だと。
それはIMGで池に世話になったエーちゃんとしても納得。
海外でお金を掛けず活動する大変さは実感できる。
とはいえ井出もいつまでもそんな生活というわけにいかないため、それほど猶予はないのだと。
エーちゃんとしても早く家を出たいと思っているものの、プロになって少し様子を見た方がいいと親に反対されている現状だと。
そして荒谷も活動資金はいくつか試合を回るだけでギリギリ。
拠点も資金も確実になっているのは、日本代表入りしている難波江くらいだろうと。
エーちゃん以外も、やはり資金面で苦労している模様。
そして2試合を終え、今度はエーちゃん、難波江、神田が見学。
すると神田が難波江の来年のスケジュールを訊く。
難波江はNTCを拠点に海外のレベルの高い試合にできるだけ挑戦しようとおもっていると。
つまり資金の心配が少ない今のうちに、どんどん上の試合で勝って早いうちにフューチャーズやチャンジャーを卒業しようという積り。
チャンジャーの壁はそうそう越えられるものではない。
それを分かっていて言っているのだから、本当自信家だと神田は言う。
一方で神田は渡米、IMGを拠点に活動すると。
一つ下だから出遅れちゃいられないと神田。
すると意外と来年一番ランキング上げるの神田かもねと笑う難波江と。
意外ってなんスかとすごむ神田。
そして試合がまた進み、今度はエーちゃんと緒方、岡田が見学。
緒方が岡田の大学進学が決まったということで、どこの大学にしたのか質問。
すると教立だと。
それは緒方が行く大学と同じ。
この二人が一緒に入学となると、すごく強くなるのではというエーちゃんの予想を余所に。

岡田は見えた未来予想図は、モテと非モテの現実。
最近は海外でも大学に行くプロが増えているらしいし、大学が主催している大会もある。
一緒に違うルートからがんばっていこうと爽やかに言う緒方に岡田は思わず舌打ち。
フラれた緒方はショックを受け、井出に岡田と上手くやっていく秘訣を教わろうとしたり。
そしてエーちゃんが岡田との試合。
(こいつ・・また上手くなったな)
(最初より固さが取れてきた・・・・。きっと・・、みんなのおかげだ・・・・)
難波江と緒方の試合が終わったところで、一旦全員休憩。
あのあとに2試合ずつやろうということに。
しかし、誰と当たっても緊張感のあるいい試合。
そこで神田がエーちゃんの様子を質問。
エーちゃんは海外の試合に慣れるべく、まずオーストラリアフューチャーズに出ようと思っていると近況を報告。
すると、神田はそっちではなく、彼女の方だと。
クリスマスとかどうしていたのかと、面白そうな話を聞きたくてニヤニヤ。
その後ろで井出も興味深げ。

クリスマス、一緒に過ごしたものの、なっちゃんちは毎年家でクリスマスパーティーを行うため、ひっきりなしになっちゃんの携帯にメールが届き、5時前には解散となってしまったのだと。
だから、結局エーちゃんも家族で過ごしたと。
それには井出も予想外、神田もそこは電源切っていくとこでしょと。
しかし、緒方は将来を考えたら信用も大事だと。
さすがに将来という言葉にエーちゃんも赤面。
そう言う緒方は結婚も考えているのだと。
もう緒方は次元が違うなと感心する荒谷と、再び舌打ちする岡田。
しかし、神田が聞きたかったのは、そういう高次元の話ではなく、もっと低次元の話。
要するに下ネタ。
もう、クリスマスにあんな可愛い彼女がいながら、イチャイチャしないエーちゃんの方が異常。
俺だったらと――熱くなる神田。
すると井出が一言。
「お前は、当分彼女できそうにねえなー」
思わず納得しかける緒方と吹き出す岡田。

笑われた岡田に突っかかる神田に、もう試合を始めないと時間がないと言う難波江、そしてその難波江とやろうと意気込む井出と喧々囂々の様子。
そして残す試合も進め、この合同練習も終わりへと。
そうするといいよオーストラリア遠征まであと2週間――というところで次回<#376 南へ>につづく。
お祭り回ですね。
池世代総集結。
ただし池本人は除くみたいな。
こういう話は本当に、大好きです。
公式戦ではないですし、1セットマッチとはいえ、全日本ジュニアでは見られなかった幻の対決。
もう、テンション上がりっぱなしですよ、ホント。
そして感想の方で触れようと思ったので、概略中に試合の結果には触れませんでしたが、結構判明しています。
というわけで、ここで。
判明しているのはこんな感じです。
岡田-難波江(3-6)
緒方-神田 (5-7)
丸尾-難波江(3-6)
荒谷-井出 (6-4)
丸尾-神田 (7-5)
岡田-緒方 (2-6)
? -荒谷 (7-5)
難波江-? (6-3?)
神田-井出 (6-2)
岡田-丸尾 (2-6)
難波江-緒方(6-4)
この結果を見ると、難波江がやはり頭一つ抜けていますか。
難波江>エーちゃん≧神田>荒谷=緒方>井出>岡田っていう感じですかね。
ちょっとエーちゃんの結果が少ないので、エーちゃんが高すぎるかもしれませんが。
荒谷に勝っているのがエーちゃんだった場合は、この位の感じかなぁって思います。
まぁ、他にも結果不明の試合が何試合もあるでしょうし、厳密にこの通りの強さというわけでもないでしょうが。
特に井出が低いのは、いつもの井出劇場が発揮できるシチュエーションではなかったためかと。
そして3セットマッチだったらまた結果も変わってくるでしょうしね。
とはいえ、この結果は本当に面白いです。
エーちゃんはまだ難波江には届かない感じですね。
6-3だと1ブレイクダウンですかね?
そして緒方と神田の試合は結構面白そうだなぁと。
少し状況が違ったら、全日本ジュニアの準決のカードだったわけですしね。
とりあえず神田の勝利だったわけですが、結構好ゲームだったんだろうなぁと。
あとはスコア不明ですが、岡田が荒谷に勝っていますね。
この辺は意外なようでいて、意外と納得もできます。
元々岡田はジュニア時代ずっと荒谷に勝ち越していますしね。
3年の関東ジュニアで初めて勝っただけですし。
荒谷にとっては意外と苦手な相手なのかもと。
あとは、なっちゃんとのクリスマスデート失敗。
うん、なんか、いかにも2人らしいなぁと。
情報量、小ネタ、お祭り感とかなり楽しめる話でした。
最高に満足な感じです。
そして案の定というか、難波江以外はスポンサー契約が厳しいようですね。
まぁ、エーちゃんの様に自分からプレゼンやるほどではないにしろ。
皆4月のプロ転向までに、どこまで実績を積めるかがカギとなるわけですね。
そして次回はエーちゃんのその第一歩。
いよいよ南へ。
オーストラリアですね。
期待が高まります。
スポンサーサイト