遊矢と零児のデュエルから半月。
黒咲と沢渡は零児を探し、彷徨う日々。
あの土砂崩れの後、零児会社に現れたという話はあるものの、その後、すぐに姿を消してしまい、どれだけ探しても見つからない。
その上、素良も見つからず、レオ・コーポレーションも閉鎖されている現状。
一方、柚子も遊矢を探し、彷徨う日々。

と、そんな3人が偶然、遭遇し――。
「あなた達! 赤馬社長にくっついてた…」
「お前は! ファントムと一緒にいた…」

「「金魚のフン!」」
と絶妙の中の悪さを見せる柚子と沢渡。
と、そんなことを挟みつつ、お互いに遊矢と零児の情報を交換。
柚子は零児が派手なスポーツカーで空港の方へ向かったという情報を。
そして、柚子は沢渡から、サウスエリアでファントムならぬ、『マンホールのお化け』が出るという情報を交換。
そして情報を得た黒咲はレオ・コーポレーションへ。
そしてここのマザーを使い、零児を探すのだという。
しかし、完全シャットアウトされている建物。
黒咲はそれを、ナパーム・ドラゴニアスを召喚し、窓ガラスを打ち破る暴挙にでる。
「俺は何としても赤馬を見つける。ファントムにも勝てず、赤馬とも戦えず、俺の戦いの渇きはどこへぶつければいい! 赤馬社長の行方を追ってくれ。緊急事態だ!」
『残念デスガ、私ニ命令デキルノハ…、赤馬社長ダケデス…』
と、ロックされていたマザーに拒否られることに。
と、そこで沢渡の出番。
素良の部屋を整理していた際に見つけた赤馬社長の諮問手袋を使い、ロックを解除。
そこで、赤馬社長の行方を聞き出すことに成功。
その行方は。

宇宙開発センター。
一方、沢渡の話を聞き、サウスエリアにやって来た柚子。
マンホールの近くにいた子供に噂の『マンホールのお化け』のことを聞くことに。
「あのね、時々マンホールから変な音がするんだよ」
「マンホールから?」
「それでね、凄いしぶきがあがるんだ」
聞くタイミングが遅れた柚子は、その水しぶきを受けることに。

そしてその水しぶきの原因、マンホールのお化けの正体は――Dホイールに乗る遊矢。
(もっと飛ばせ!! スピードにビビるな! 恐怖を感じたら事故るぞ!!)
そしてギリギリの所でのブレーキで、派手な水しぶきを上げ、止まる遊矢。
(いい感じだ遊矢! よく短い時間でここまで成長したな)
遊矢のライディング・テクニックはユーゴも認めるほどに上がっている。

しかし、派手な水しぶき。
そこにいたのは、お化けの正体を確かめに下りてきた柚子。
「遊矢!! 急に姿を消して、こんなところで何してるのよ! ずっと探してたのよ!」
遊矢が姿をくらましていたのは、Dホイールの特訓をするため。
いずれ蓮がDホイールでデュエルを挑んでくる。
G・O・Dを持っている蓮たちと戦うことが遊矢の宿命だろうから。
しかし、ユーゴがいる以上、わざわざ遊矢がDホイールの練習をする必要性を疑問視する柚子。
しかし、これはユーゴの提案。
いざという時のために。
そしてユーゴはそのまま遊矢に、一人で練習するように言い、口は出さずに見守る体。
(随分と遊矢をしごいているようだな)
そうやって現れたユート。
(ですが彼女の言う通りです。君が遊矢の代わりにデュエルをすれば事は済むと思いますが)
ユーリも現れ続ける。
(その理由は薄々わかってるんだろ。ここ最近ずっと遊矢と一緒にいるから、オレにはハッキリとわかるんだ。一緒にいて自分の意識が消える時がある。その時期が段々多くなってる)
これは遊矢の中に目覚めつつあるアダムの因子が原因の可能性が高い。
それがユート達の存在を邪魔している。

しかし、どんな理由であれ、もう彼らが遊矢と一緒にいられる時間は限られてしまっている。
だからこそ、ユーゴは自分の持っているスキルを遊矢に全て伝えるべく動いているユーゴ。

そして蓮と素良。
こちらも消えた遊矢と零児を探す日々。
「あれから榊遊矢と赤馬零児はどこに消えたんだ?」
「我々には時間がない。見つけ次第決着をつける」
「? 時間がないって何を焦ってるの?」
そんな中、いくつものモニタの中から、オッドアイズの反応を示すものが。
それは粒子加速器、その形状はまるで、サーキット・コースのよう。
それはあたかも蓮への挑戦状。
苦しそうな吐息を漏らすイヴ。
「私は情けない科学者だな。これまで膨大な時間があったというのに、君を蝕み続けるその魂の正体も、そのカードの正体も突き止められないとは」
そんな彼女を救えず、苦しい声を漏らすドクター。
「アイザック。あなたは優秀な科学者よ。私の事ならきにしなくていい。これは歴史を粉々にしてきた代償なの」
そんなイヴの言葉に、むしろ表情を暗くするドクター――アイザック。
「私は自分の人生を悔やんでなどいない。人は何度人生を繰り返そうと、最初の記憶から逃れることはできない。何度人生を繰り返そうと、蓮も、素良も、そして私も。最初の人生の記憶を補完しようとしているだけなのだから…」
「君の言う通りかもしれない。私も君とアダム、そして私が出会った頃を今でも思い出す」

「私は随分と醜くなった。でも、どんなに私を蝕もうとこのカードはもう私の命…。私そのもの…」
「君は今でも美しいEVE! G・O・Dの力が覚醒すれば、全てが補完されるだろう。君もアダムも我々も共に永遠となるんだ!
アイザックはイヴの手に自分の手を重ね。
「君の夢は私の命に代えても成し遂げる」
そう断言する。

そしてオッドアイズの反応を感知した蓮。
ユーゴとデュエルした時とは別のDホイールの元へ。
――どうやら、私を呼んでいるようだな。

遊矢からの挑戦状に応え、物語の進行も加速中――というところで次回につづく。
はい、というわけで、デュエルはありませんでしたが、物語の謎が結構解明されて。
また謎が随分と深まりました。
うん、まぁ、とりあえず今回はデュエルがなくて良かったです。
正直、どんなカードが出てきても反応に困ったでしょうからね。
とりあえず来月くらいになれば、少しは頭も情報も整理されているでしょうし。
閑話休題。
柚子と沢渡の仲の悪さは、コミックでも健在。
どちらかというと、黒咲の方が印象は悪いと思うんですけどね、色んな意味で。
まぁ、この辺は単純な相性というべきでしょう。
しかし、黒咲さんといえば、ソリッド・ヴィジョンで思いっきりビルの窓を破壊とか、フリーダム過ぎます。
まぁ、フリーダムと言えば、追われているにも関わらず派手なスポーツカーを乗り回している零児も大概ですが。
そして地味にぽんこつ面白マザー。
命令できるのは零児のみ。
そして零児(の指紋手袋装備沢渡)が零児の行方を尋ねるという摩訶不思議な質問にも答えるという。
しかし、レオ・コーポレーションの宇宙開発センター。
沢渡も黒咲もその場所を知った途端の表情。
これは何なんですかね。
あの表情からすると、あまりいい場所ではなさそうですが……。
そして遊矢達サイド。
まさかの遊矢がDホイールの練習。
正直、蓮との決着はユーゴがもう一度しっかりつけるものだと思っていましたが……。
ユーゴのセリフを鑑みると、遊矢にチェンジせず、最初から最後までやるデュエルはユーゴに限らず、ユート、ユーリもないかもしれませんね。
残念ですが。
そしてイヴとG・O・Dについては結構情報が開示されましたね。
イヴサイドでも、G・O・Dの正体は未判明。
そしてイヴ達は何だかループしているような物言いですよね。
個人的な印象としては、例えば遊矢のアダムの因子が覚醒すれば、その瞬間遊矢にアダムの人格が甦る。
現イヴも覚醒前は、全然普通の人生を歩んでいたのでは? と。
言うなれば、遊矢は何代目かのアダム候補。
そしてイヴも何代目かのイヴ。
そしてアダムとイヴは完全上書きではなく、本来の人格と統合されていく的な?
そして顔の痣は因子覚醒によって現れる聖痕的な?
まぁ、流石にまだ全情報を開示する時期でもないということで、言い回しが迂遠ですが。
まぁ、その分、考察のしがいはあるんですけど……。
でも、もう一声欲しかったかなぁと。

そしていよいよ3巻の予告も。
収録カードはゼロ・ラプラス。
アンセリオンでも、ヴェネミーでもありませんでした。
いや、まぁ、これが良かったのか、悪かったのか、本当に何とも言えない現状が寂しいところです。
まぁ、この2竜が定期購読に回ったらっていう嫌な予想もありましたが、そちらも無事回避され、「EMカード・ガードナー」と「エッジインプ・コットン・イーター」と内容も効果も判明しましたね。
いや、判明したってことだけ知っているだけで、内容しらない僕なんですけど。
Vジャンプ 2017年 04 月号 [雑誌]
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