
祝! 連載10周年!!
そして祝! 完結!
10年分のありがとうを込めて。
ATP250アトランタ、本戦1回戦。
エーちゃんの世界デビューの相手は――。

今大会第5シード、ATPランキング37位のジェームス・ファウラー。
同世代で世界でも池と双璧をなす次世代のスター候補。
以前、ウインブルドンで見た、将来の世界NO.1候補。
よりによってと、げんなりする諭吉。
「厳しい相手だが、世界ツアーでの強敵との対戦経験は何にも代えがたい価値がある」
とエディコーチ。
「はい・・・・。世界デビューの相手としては最高だと思います」
エーちゃんもモチベーションは高い。
というわけで、まずは相手選手の情報収集。
エディコーチはファウラーは最近サーブの改造に着手しているはずだから、その辺を重点的にと室賀さんに指示。
そしてチームの面々はそうして情報固め。
エーちゃんは、大会を勝ち抜いて長期戦になることも考慮して、身体を休めることを優先。
そして次は翌日のミーティングで。
と、チームの面々が部屋から出ていくと、影山から連絡が。
それに返信をしていると、今度は母からも。
更に難波江、荒谷、神田らのグループからも次々と。
そして青井コーチからも電話が。
『こっちじゃテニス関係者がさわぎ始めたぞ。テニス協会の人が帰ってきたら直接話をしたいそうだ。多分、日本代表のことだろう』
「本当ですか?」
『それよりまずは目の前の試合に集中だな。どうだ、今の気分は?』
「・・・・実は、まだあんまり実感ないんですよね・・・・」
『はははは。じゃあコートに立った時ドっと来るかもな。そこからは勝てば勝っただけリアルにグランドスラムが近づいてくる・・・・。まさに世界トップへの第一歩・・・・。
たくさんいるプロテニス選手でも世界ツアーに手が届くのはほんの一握りだぞ』
「・・・・なんか緊張してきました・・・・」
『だけどお前ならきっとできるさ』

『お前はここまで確かな一歩を自分で歩いてきたんだから。
不安も緊張も興奮も全部お前のものだ。楽しめるはずだよ』
「はい!」
青井コーチの言葉でスッキリしたエーちゃん、実感のないふわっとした気持ちから、楽しむべく気持ちを切り替えることに。
そして迎えた試合当日。
観客席にはチーム丸尾の面々になっちゃん。
そしてマーシャまで。

「あ、マーシャ。応援に来てくれたの・・・・?」
「まあね・・・・。お兄ちゃんの試合この後だし」
微妙な空気が漂う二人。
そんな中で試合開始に伴う選手入場。
エーちゃんはまばらな拍手となっちゃんの声援で入場。
一方でファウラーの入場の際には、割れんばかりの大声援が。
(ファウラーの人気はすごい・・・・。大丈夫・・・・)
そしてファウラーのサーブで試合開始。
室賀さんが用意してくれたファウラーのサーブ改良前後の動画。
以前に比べ無駄がなくなり可動域が広くなったものの、安定はまだしていない。
そしてサーブトスが低くなると第1サーブの成功率は40%台まで下がるものの、トスが高く安定している時はエースを量産してくるのだと。
そして最初のサーブ。
トスは高い。
そこから繰り出されるサーブは強烈で、ほぼサーブだけでキープされてしまう。
そしてエーちゃんのサーブゲーム。
ここでストロークでまともにやり合ったら押し込まれる。
スライスを使って前後にゆさぶる組み立てて、ペースを乱すというエディコーチの案もあったが、それも成功せず。
ファウラーの強烈なストロークにやられ、あっさりとブレイクされてしまう。
だが、まだここから。
エーちゃんは目が良い上、ビックサーバーとの経験も豊富。
データもあるため、慣れてくれば、捕まえられる。
実際に第1ゲームではラケットに当てるのでさえ精一杯といった様子だったが、ここではリターンに成功しなかったものの、かなり惜しいリターンを返すことはできた。

そしてチェンジコートで、いよいよエーちゃんのノート姿も世界デビュー。
これには、観客も面白がって、ざわめく。

(どこにいてもエーちゃんはえーちゃんだね)
なっちゃんも思わずそんな感想を。
(これが世界ツアー・・。そして世界のトップに行く選手・・・・)

そして対戦相手であるファウラーもエーちゃんの様子に思わず、例の笑顔をこぼす。
(もっと絶望的な差を想像してたけど、そうでもないかも・・。サーブだけなら、ほんの少しだけど掴めてきたかもしれない・・・・。室賀さんの情報とエディのアドバイスのおかげだ・・・・。
この試合中には、かなり掴める気がする・・・・)

(このままやり続ければ・・・・、きっと届く・・・・!)
ゲームカウントは3-0ながら、手ごたえは充分。
いよいよエーちゃんの反撃というところで――。

完結です。
はぁ。
終わってしまいました。
感傷的なことはまぁ、後で書きますので、とりあえずいつも通りの感想を先にしてしまいますか。
まぁ、それにしても青井コーチは、エーちゃんとの付き合いも長いだけあって、メンタルコントロールが上手いですよね。
技術指導的なものはエディコーチに分があるかもしれませんが、このそっちに関しては本当に凄いなぁと。
そしていよいよ、エーちゃんにも日本代表入りの話が舞い込んできそうな雰囲気で。
そして試合の方は。
エーちゃんの世界デビュー戦、相手はウインブルドンで見かけて池と双璧をなす新生。
ジェームス・ファウラー。
1年前のウインブルドンで第14シードを倒して、池のランキングを抜いた的な話がありましたし。
現在37位。
まぁ、そうなると池のランキングも気になるところですが……。
それはさて置いた、なっちゃんとマーシャの話。
うん、なっちゃん、地味にマーシャのこと苦手そうですね。
まぁ、あそこまで露骨な敵愾心を見せられると、いくらなっちゃんでもというのはあるかもしれませんが……。
もともと天真爛漫というタイプですが、他人の機微には敏感ですし。
ストレートにああいう感情をぶつけられることに慣れていないのかもと。
そしていよいよ最終回的な話。
うん、まぁ、何と言うか……。
あれ? 終わり?
的な感じでした。
普通に次回連載していても不思議はないくらい。
まぁ、前回が前回でしたし。
こういう可能性も考慮はしていましたが……。
何というか、終わったという実感が、まだわかないのは事実です。
この辺、コミックの加筆やおまけ的なもので補完になるのでしょうか?
個人的なことを言うなら、あまり一気に掘り下げずに、このままACTⅡにいつでも入れるように終わるって流れで全然かまいませんので。
えぇ。
5年だろうが10年だろうが待ちますよ。
ですが、折角ですので、とりあえず別の新連載を描いて欲しいという思いも結構あったりもします。
余程のことがない限り作者買いしますので。
できれば、甘酸っぱい10刊前後のラブコメなんかを。
中城さん的な感じの娘がヒロインならなお嬉しいのですが。
えぇ。
まさか、デスゲーム系を描いたりはしないとは思いますが……。
思いますが……。
思いますが……。
あんまりしんみりしたことを書くと、本当に終わるんだって気になって、メンタル的に大ダメージを負いますので、その辺はコミック最終巻が出た時にでも書こうかなぁと思っていたりします。
それでは、前述していますが。
勝木先生、連載お疲れ様でした。
さて、これで生きがいを失ってしまった僕なのですが。
まぁ、とりあえずマガポケで100話分無料公開になっていたりしますし、書いていなかった個別感想を1話から改めて書いていこうかなぁと思ったり。
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