恐らく雪の影響。
マガジン売っていませんでした。
残念。
ピートとのキープ合戦を続け迎えた第2セット、第9ゲーム。
ここまでの最重要ゲーム。
(こういう試合を続けたいなら・・、ここを奪って勝しかない!)
エーちゃんはピートのここまでのサーブコースの配分を考える。
ワイドが45%、ボディが21%、センターが34%。
この%に従って意識する。
最初こそフォームでコースを読めたものの、今は約40%、フォームと違うコースにくる。
それはフォームを修正すると球威が落ちるため、普段のサーブをやや優先しているということ。
それも加味して、総合的にコースを予想する。
そこでピートのサーブ。
フォームのクセはワイドのもの。
先ほどの%より、さらにワイドへの警戒を強める。
すると、予想通り、コースはワイドへ。
しかし、何とかラケットに当てるものの、それが精いっぱい。
返すことはできない。
15-0。
(予想してたのに、・・・・なんてサーブだ・・)
読み通りにも関わらず、返せなあったため、悔しがるエーちゃん。
しかし、今のはピートも会心のサーブだった。
(今のが触られるとは・・)
それだけに、ノータッチで決められなかったことに、僅かながらのショックを。
続くアドコート。
コースの%はワイド52%、ボディ8%、センター40%。
そしてクセはセンターへのもの。
すると、クセ通り、センターへ。
しかし、エーちゃんも反応しきれず。
今度はノータッチで――と思われたが、これはフォルト判定。
(えーっ・・今のは入ってただろー)
と頬を膨らますピート。
際どかったものの、セカンドサーブとなり、チャンスを迎えたエーちゃん。
セカンドは警戒して、フォームを修正してくることが多いと判断。
クセはワイドということで、逆のセンターへ強い意識を向ける。
そして予想通り、再びセンターへ。
セカンド、そして読み通りということで、エーちゃんのリターンは深く返る。
そうなるとピートも前に出ることができない。
そこでエーちゃんは、強気で勝負にでる――高速スライス。
それは一瞬大きいかと思うほど。
だが、際どく入る絶妙のコース。
するとエーちゃん、戻る時間を与えないと、前へ。
そこで、ボレーを決め、15-15。
(よし・・1本目! 最速のスライスをここまで温存した成果が出せた! ギリッギリだけど入ってよかった・・。積極的に前に出ててよかった!)
(ピートを後ろに縛りつけた上で球を浮かせて高速スライスを高い打点で打つ・・・・。優位に立ってさらにリスクを下げて決めたのか。よく見ると恐ろしく緻密に計算されたテニスだな・・・・)
こうして改めてエーちゃんのテニスを目の当たりにした敦士さん。
その計算されたプレーに舌を巻く。
一方のピート。
今のエーちゃんには、甘いセカンドは打てないと実感。
となればできる限りファーストサーブで勝負しなければならないが、そのファーストも注意が必要。
少しでも甘く入れば主導権を奪われかねないという重圧を受けることに。
(今ので、少しはサーブに重圧を掛けられたはず・・・・。ピートをブレイクするには、まずこのサーブを崩さなきゃ・・)
エーちゃん、今のプレーでピートに重圧を掛けられたことを実感。
そこでピートのサーブ。
これはセンターへ。
しかも球威が落ちたため、十分取れる速さ。
が、ここでピートは前へ。
(ここはサーブのリスクをやや落として、ボレーで勝負!)
エーちゃん、ここは、以前の足元に沈めたり、上を抜くロブではなく、ピートのサーブの威力を活かし、全力でボディ狙い。
これには、さすがのピートも反応しきれず。
何とかラケットに当てるものの、フレーム。
これで15-30。
「おおっ。マルオはあんな速い球も打てるのか?」
「それより見逃せばアウトじゃなかったか?」
「そうかもな・・」
と観客もワザワザ。
(今のは・・・・ピートの動きが固くなって、正面の球が取れなかった、さっきとは様子が違う・・・・。あの動体視力がいいピートが、明らかに反応し切れてなかった。至近距離から今日最速の球を打ちこんだからだ)
そんなエーちゃんのリターンを面白いと評し、敦士さん達の所へ現れたのは、ロニーコーチ。
今日は池のコーチは休みということで、気になっていたこの一戦を観に来たのだと。
ロニーコーチも、売出し中のピートのことは聞いている。
そしてそのプレーを見て、かなり積極的に前で勝負するタイプなんだなと。
そしてピートほどのサーブがあれば、サーブ&ボレーという策を、一番得意な戦術を重要な局面で選択するのは仕方がないと納得。
しかし、近年サーブ&ボレーヤーと呼ばれる選手は少なくなってきている。
それはリターンの技術とラケットの進化で、前に出てもポイントしにくくなってきているため。
それは前に出ると後ろからきた打球の速度に人間の反射の限界を超えてしまうケースが増えてきたということ。
それ故に、現代テニスにおいて、サーブ&ボレーをするなら、相手が絶対に強打できない状況をつくるサーブが必要となる。
ピートは今まではそれができていたが、エーちゃんはその状況を崩しつつあると。
そして、そのことはエーちゃんも把握。
いくらピートでも、あのボードの点滅時間より速く、打点から手元にくる球には反応できないのだと。
それだけ速い球が打てたなら、サーブ&ボレーの対抗策がひとつできたと。
今度のピートのサーブ。
クセはセンターということで、センターに意識を多く配分。
(ここでピートの力を超えて勝つ・・。情報と技術で超えてみせる!)
と、ピートのサーブ&ボレーへの対応に光明が――というところで次回<#289 前へ>につづく。
前述しましたが、雪の影響、半端なかったです。
まぁ、翌日には問題なく手に入れられたのですが、普通に途中まで書いて放置という状況になってしまいました。
反省です。
まぁ、閑話休題ということで、感想です。
会心のサーブがフォルト判定でむくれるピートにちょっと、和みました。
まぁ、ピートの心中はわりと穏やかではないでしょうけど。
本当に。
しかし、コースを読んでいるとはいえ、ピートの高速サーブ相手に、深いリターンでピートを後ろに縛りつけ、忘れたころに高速スライス、そして前へ。
これは敦士さんじゃなくても、感心しますよ、きっと。
そして渾身のリターンで、ボディ狙い。
しかも、足元に沈める球も、ロブも見せた後ですからね。
しかし、まさかのロニーコーチ登場。
本当にピートに勝てそうな雰囲気も出てきましたし、ロニーコーチがエーちゃんに本気で目を付けることになるんですかね。
これで、エーちゃんの将来が切り開かれることになるのでしょうか?
あと、近年サーブ&ボレーヤーが少なくなってきている的な話。
この辺のことは詳しくは知りませんが。
そういえば、前回のアメリカ修行編でも、そんな話が出ていましたっけ。
2段階テニスの時に。
まぁ、厳密には違いますが、似たようなものなのかなぁと、思った次第です。
ベイビーステップ 感想一覧
ベイビーステップ(30) (週刊少年マガジンKC)
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