遊矢と蓮のデュエルが終わるその時、零児の元に現れたのは――。
一方、遊矢と蓮。
デュエルの決着が着くやいなや、Dホイールから転落する蓮。
それを見た遊矢は慌てて駆け付ける。

またモニター越しにこのデュエルを観戦していた柚子は喜びを爆発させる。
が、そんな中、何も映していなかったモニターに反応が……。
心配し、駆け付ける遊矢に、蓮はこのままでいいと。
「見事だ、榊遊矢。まんまと君のマジックにやられたよ。ユーゴに伝えてほしい…」

「一緒に走れて、楽しかったと…」
そんなことは自分で伝えるべきだと言う遊矢だが、蓮にはそんな力が遺されていない。
蓮たちはG・O・Dに身を委ね、自分の人生の時空を超えた時から歳を重ねなくなった。
だが、何度も時空を飛び越えた負担は肉体の内側から蝕んでいる。
蓮の顔の皺、それが時空を悪戯した報いなのだと。
「教えてくれ! 君たちが言う『アダムの因子』ってのは何なんだ!?」
遊矢の問いに、蓮が意を決しては語り始める。
それはEVEが追い求める幻だと。
かつてEVEにはアダムという恋人がいた。
その彼の魂はG・O・Dが現れた時、次元の彼方に飛び散った。
それが今遊矢と零児の中にある。
アダムは遊矢以上、まさに魔術師だったと。
そして科学者であったと。
EVEの因子とアダムの因子が揃えばG・O・Dが覚醒する。
G・O・Dは時間を支配したがっている。
そして力が覚醒すれば、人は気付くこともなくG・O・Dの支配を受ける。
遊矢は更に、蓮から話を聞き出そうとするが、ここでタイムリミット。
「残念だた、その時間は無さそうだ…」

「遊矢、私は自分の夢のために自分の運命を放棄した。君はアダムが見込んだ存在…。君ならばG・O・Dの誘惑に打ち勝ち、自分の運命を見届けることができるかもしれない…」
「G・O・Dがオレを誘惑するっていうの?」
「そうだ…。いずれ…わかる…」
その言葉を残し、蓮は光とともに消えていく。
そしてベッドで眠る蓮の脇には素良が。
「負けちゃったんだね、蓮…。これじゃ君のコレクションのDホイールも、これからは埃をかぶることになるね。
君は生きる目的を果たしちゃったから…。
でも、ボクはそうじゃない…。榊遊矢はボクが必ず倒す。あの時は負けたけど、記憶の戻った今のボクは違う…」
――G・O・Dの世界は、ボクの夢なんだから…。
管制室から戻って来た柚子。
そしてデュエル中のボタンの件で柚子にお礼を言う遊矢。
柚子は蓮のことが気になる様子。
「ねぇ、あの人ユーゴの子孫って言ってたけど、どういう事? ユーゴはあなたの『人格の一つ』でしょ? なのにどうして子孫がいるの?」
遊矢の人格の一つの子孫ということは、もしかして遊矢の子孫でもと勘違いを始める柚子。
さすがにそれは遊矢が否定。
「そうよね。そじゃあの人達、未来から来たことになっちゃうし…」
と疑問符を浮かべ、混乱する柚子を余所に、遊矢は自分の見たユーゴの記憶に思いを馳せる。
「きっと時が来たら、全部わかるんじゃないかな?」
そんなことを話していたため、忘れていたが、柚子は先ほど管制室のモニターに零児の姿が映し出されたことを思い出し、遊矢に報告。
そしてモニター越しからも零児がいる場所が、わかる。
というのも零児の足から覗く地球。
というわけで、零児は宇宙にと驚く二人。
「随分と変わった場所にいるな」
とそんな零児に近づく人物――アイザックが。
「地球の眺めが素晴らしい。地球はいつの時代でも宇宙に輝く奇蹟の星だ。
しかしまさか君がこんなモノまで持っているとは驚いたな」
「私の手にかかればソリッド・ヴィジョンシステムは無限の可能性を持つ」
「なるほど。さしずめ、あれは全て実験設備か。これだけの空間が宇宙にあれば人々に役立つ実験が色々とできる。その発明によるこの世界への君の貢献は計り知れない」
まぁ、EVEの刺客をおびき寄せる場所として使ったが、本来、この宇宙ステーション? はそのために作った場所。
というわけで、アイザックはここで自己紹介。
同じ科学者として、以前から零児とは戦ってみたいと思っていたのだと。
「ほう…。榊遊矢を狙った刺客は奴に倒されたぞ」
「知っている。だが彼に悔いはないだろう。彼は安らぎを求めていた」
「なぜお前達は私と榊遊矢を狙う?」
「言っただろう。君達が『アダムの因子』を持っているからさ」
同じく『アダムの因子』を持つ遊矢もこの話題には思わず聞き入る。
「『アダムの因子』とは何だ?」
「G・O・Dの力を制限しているものさ。アダムの呪い。いいや、魂と言った方がわかりやすいかな」
――『アダム』と『EVE』…。
「『アダム』とは人の名前か?」
「そうだ。アダムこそが、G・O・Dを発見した最初の人物だ。君と榊遊矢はG・O・Dを発見したのが君達の父親、赤馬零王と榊遊勝だと信じているようだがそれは違う。君達の父親たちは着物時代にG・O・Dを蘇らせただけだ」
「…」
「零王と遊勝は所詮G・O・Dに操られたに過ぎない…」
「黙れ!!」
アイザックの話に、さすがの零児の激情を抑えきれない。
「おっと…、そうだな。いくら事実とはいえ、父親の功績を否定されるのは気持ちのいいものではないな。私は研究所に閉じこもりきりでね、どうも人の気持ちを汲む事に疎い。悪かったな」
「『アダムの因子』。それを取られれば私はどうなる?」
「残念だが…。その答えはハッキリとは『わからない』。わかっているのは、アダムはデュエルモンスターズのソリッド・ヴィジョンにG・O・Dを出現させた。だからデュエルでなければ君達から『アダムの因子』を取り出すことはできないという事だ。
負ければ恐らく君はG・O・Dに取り込まれる」
「消滅するという事か?」
「それも…ハッキリとは『わからない』。わからないばかりでは、私も一流の科学者とは言えないな」
アイザックはEVEのために、どんな事をしてでも彼女の願いと叶えると約束した。
そのために遊矢と零児を倒し、G・O・Dを覚醒させる。
「よかろう。お前の挑戦を受けてやる。だが、お前はこのデュエルが終わろうと二流科学者のままだがな」
「!?」

「なぜなら私がデュエルでお前達に負ける事など決してないからだ。よってお前
がデュエルに負けた時に私がどうなるかを知る事はない!」
「ククク…。それが君らしいジョークか。いいね。嫌いじゃない、そういうのは」
お互いに舌戦を交えて、いざデュエル。
先攻は零児。
零児はハンド5枚、全てを伏せてエンド。
「面白い…。全てのカードをセットか…。素晴らしい威圧感だ」
零児のプレッシャーを受けながらのアイザックのターン。

「私はレフトゾーンにミラーイマジン・プライマリー6をセッティング。更にライトゾーンにミラーイマジン・セカンダリー9をセッティング」
これでPSは6から9。
そして更に残りのハンド4枚をセットでターンエンド。

「フフフ…。これではまるでこれから撃ち合うガンマンか。それとも刀を抜きあう侍だな」
「こういうのは…私も嫌いじゃない」
互いに手札『零』!!
というところで次回につづく。
はい、というわけで、要約スケール24の感想アップです。
スケール25?
知らない話ですね。
というわけで、白々しくスケール25部分には触れません。
まずは、遊矢が勝った瞬間の柚子が無駄に可愛かったです。
蓮がユーゴの子孫ということで、色々と混乱している図も。
そして敗れた蓮は、役目を終えて消滅――するわけではなく、普通にベッドの上なんですね。
意識が戻るかどうかは不明ですが……。
蓮は件の契約を後悔してそうですしね。
安らぎを求めていたというのは、何となくわかります。
その上で、遊矢とそして憧れだったユーゴともデュエルをし、満足できたのでしょうね。
そしてこの話、最大の見せ場は零児とアイザックの舌戦。
こう、アイザックの科学者っぽい(私的偏見)コミュ障? で言いたいことを言う様と、零児のデュエル前の口上(煽り)が個人的にツボでした。
ですが、結構情報も出てきました。
まず、アダムが人名。
まぁ、これはEVEがいる以上疑う余地はありませんでしたが、そのアダムこそがG・O・Dを発見した最初の人物だと。
遊勝と零王ではなく。
この辺アイザックにいいように言われて、零児も激昂していますが、この辺、零児も何となく察していたのではないですかね。
だからこそ、「そんなはずない」ではなく、「黙れ!!」という言葉が出たのでは。
そして『アダムの因子』を掛けたデュエルの結末がアイザック達にも不明というのは意外でした。
僕の予想ではアダムの因子はもっと細かく分かれ、残りのピースが遊矢と零児のものという印象でしたので。
なので、既に『アダムの因子』の回収は何度も行われているものだと思っていましたので。
本当に意外というか、想定外。
これを前提に色々と僕は予想を語っていましたので。
負ければG・O・Dに取り込まれるというのは、まぁ、間違いないでしょう。
しかし、消滅するかは不明。
これをわざわざ、『わからない』と言わせたことは意味があるかと思います。
有体に言うなら伏線になりそうと。
要するに消滅したように見せかけて、消滅しない可能性が高い。
まぁ、その辺はアイザック戦ではないかもですが……。
そしてお互いにガン伏せで始まったデュエル。
うん、まぁ。

思いますよね。
あとはPスケールを張ったら、伏せられるカードは3枚ではないのか!?
とか色々とネタはあるのですが、あまり小ネタをやっていると脱線しまくりますので。
いや、まぁ、既に十分やっている感はありますが。
素良の望む世界も気にはなりますが、やはりこれは情報量が少なすぎますので。
今はまだ拾えないのでスルー。
むしろ気になったのは、このシーン。

(ユーゴ…。あの時見たあれが本当なら、君は…)
これがユーゴが遊矢の人格の一つになっている契機なのだと思うのですが…。
この意味深な言い方が引っかかるんですよね、どうしても。
あと君とユーゴだけを指すのも。
遊矢の記憶にまつわる重要エピソードなら、ユート、ユーリも絡んでいるでしょうから、君達となっているのが自然だと思いますし。
どっかの感想で書いたか、書いてないのか覚えてませんが、ユーゴ達は既に死亡、ないし身体を失い遊矢に憑依している状態っていうのも考えたのですが。
それにしては蓮というユーゴの子孫の存在がいますし。
なかなかこの辺も開示されそうで、引っ張りますね。
まぁ、間違いなくコミック版ARC-Ⅴの最大の謎ですからね、そう簡単にネタバラシはつまらないといったところでしょうか。
「きっと時が来たら、全部わかるんじゃないかな?」
その上で、このセリフを柚子に言う。
遊矢は全部ではないでしょうが、わかっている側ですよね。
それを柚子に言う。
『柚子に言う=読者に言う』という、『いずれ全部明かすよ』って読み方でもいいのでしょうが……。
むしろ『柚子はいずれ、全部かわる立場にいるようになる』とも受け取れるんですよね。
もっと言えば、これからの物語の核心に近い部分にいる的な?
まぁ、これはちょっと深読みのし過ぎだとは思うのですが。
少し気になったので、最後に触れておきました。
Vジャンプ 2017年 09 月号 [雑誌] あぁ、あとスケール25の感想ですが。
まだ、目処が立っていませんので。
本当にノータッチですので。
まだスキャンどころか、裁断もしていませんし。
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漫画には魔術師がいないですが、まさかのアダムが魔術師テーマ使いだったりするのでしょうか
遊矢の記憶はまだ引っ張ったり、GODの誘惑と不穏なフラグといい、9巻まで続きそうですね
25話で異世界とか新ワードも出てきましたし
柚子は実際、素面な一般人と『読者と一番近い』ポジションの質問役ですよね
遊矢側が読者にも説明をする為のパイプ役といいますか。
アニメと比べたら寧ろちょっとした潤滑油までありますねただ吉田脚本なのでアニメのように話の核心にいる気がしないですw
要望がない限り男キャラばっか動かしてると本人も自覚ありらしいので
あとEVEはアニメ版零王ポジなのでしょうか
取り戻したい人がいて、その為に世界を引っ掻き回し結果的にヤバいドラゴンを復活・覚醒させるって
こっちはまだ対価や代償も伴ってますが